ラインは、話し言葉のように軽い感じでも、やっぱり難しい。

ライン

今日、彼女とラインをした。今日と言わず、本当は毎日ラインをしている。

彼女と付き合ってちょうど1年ほどになる。彼女とは中距離恋愛で、月に一、二回会う程度だ。

会えない代わりに毎日ラインでやりとりする。

もちろん彼女のことは好きだ。近々結婚するし、家も探している。

 

職場は離れているが、社内恋愛だからラインでも仕事の話が必然的に多くなる。

社内での立場的には僕の方が上だった。しかしまあ、プライベートでは彼女の方が圧倒的に強い。

ライン内容は、最初は取り留めないものだった。

「今日のお仕事お疲れさま」「遅くなったね。なにかトラブルでもあった?」そんなふうに日課のようにお互いの近況を確かめ合う。

 

しかし、しばらくして彼女の仕事への不満が始まる。

僕は、こういうとき、言葉を選ぶ。ラインで、軽い話し言葉のようだが、返事を間違えば彼女は拗ねてしまう。

どこまでの不満なのか推し量るのが難しい。だから、共感するべきか、正論を吐くべきか、ぼくも慎重に回答を検討する。

しかし、考えすぎて反応が遅いと、それはそれで彼女の考えを否定しているように受け取られることもある。

僕は、疲れた頭を回転させて、彼女の望む返答を必死に考え、文字を打ち込む。

彼女が和むようなスタンプを探して、素早く送信する。それで、この一年、うまくやっていた。

 

しかし、その日はミスをしてしまったようだ。

「私が間違っているんですよね。悪かったですね」彼女から拗ねた言葉が返ってきた。

僕は疲れて、つい正論を吐いてしまった。彼女も疲れているのだ。ピリピリしていた。そこまで頭が回らなかった。

「そんなことを言わないでよ」僕はフォローを入れた。

「ケースバイケースだよ」そう言ってみたが、しばらく彼女から返事はなかった。

会話のようにポンポンとラインのやりとりを行っていた二人にとって、この沈黙は珍しいものだった。

 

わずか20分ことの時間だったかと思う。僕はその間に、どのような言葉を送信しようか悩んでいた。

仕事上のことで、正しいと思うことをラインしてしまった。彼女だって、本当は自分が正しいとは、思っていないのだ。

ただ、気持ちをわかって欲しいだけなのだ。寂しさを感じずに、ゆっくり眠るために。

 

悶々としていると、彼女からスタンプが届いた。チラッとぼくの様子をうかがうスタンプだ。

僕は安心して、ホッとしたスタンプを送った。

そして改めて感じる。ラインは、話し言葉のようでもやっぱり難しい。

 

彼女は一番今興味のある、新居探しのネタを振ってみる。

「おもしろいサイトみつけたよ、家探しの参考になるよ」僕がみつけたサイトは、このサイト家作りの失敗談が集まるサイト失敗談は、とても参考になる。

彼女の反応も良好だ。一緒に住んだら、このラインのやりとりも少なくなるかと思うと、少々寂しい気もしますね。